【主日礼拝 】                                     2014年11月09日 

   あなたは泣き言をいえますか』      

詩編142編1−8節

山岸 明牧師

  皆さんは泣き言を言えますか?よく、『泣き言を言う前にすることがあるだろう』などと言われることがあります。私も、男だったら泣き言を言うな・・・など と叱られました。それはそれで励ましにもなりましたし、頑張って強くなる道がそこにはあるのだと思いました。私たちの社会では物事を自分の力で何とかする のが当然です。しかし、自分の力が及ばないことを思い知る時、どうにもならない状況に陥った時、人はむしろ自分の頑張りをやめて弱音を吐いた方が良い時も あります。そうした方がかえって力を得ることがあるのです。

ダビデはイスラエルの初代王様サウルから命をねらわれ逃亡生活をしていました。それは想像を絶する逃亡生活でした。逃亡の末ダビデが最後に逃げ込んだのは アドラムの洞窟でした。ダビデは孤独の中で叫びました「御前にわたしの悩みを注ぎだし、御前に苦しみを訴えよう」(3)「目を注いでご覧ください。右に 立ってくれる友もなく、逃れ場は失われ、命を助けようとしてくれる人もありません」(4)。このように神様の前に「泣き言を」言うのです。

ダビデは神様に対して率直な人でした。自分の弱さを認め、正直に自分の気持ちを信頼する強様に打ち明ける事のできる人でした。追い詰められた時、主に信頼 し弱音を吐き泣き言を言う事ができる関係だったのです。彼は意気地なしではなく、主は逃れ場である事を知っている人でした。

神様は水臭い事はお嫌いです。私たちが良い子ぶるのを嫌われます。自分の限界をわきまえ、神様に自分の正直な思いを打ち明ける時、主はそれを聞いて、私た ちを罠から助け出して下さいます。ダビデは苦難の中で学びました。初代王サウルに追われ、皆が敵となり、誰も助けてくれなくとも、神様だけは彼の味方、避 け所であることを。私たちの弱音を聞き、泣き言を受け止めて下さる方は私たちの嘆きを聞き、信じる者に新しい力を与え、立ち上がらせて下さいます。主は、 泣き言を言えるほど信頼し、より頼む関係を私たちと結ぶことを望んでおられます。

 
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