【主日礼拝メッセージ 】                                                    2016年9月04日 

希望の光を見て     
コロサイの信徒への手紙3章1−4節

山岸 明牧師

  コロサイの信徒への手紙は『獄中書簡』と言われ、パウロが獄中からコロサイの教会の人々に書き送った手紙です。パウロは獄中にあるにも関わらず、悲観的に なるどころか、むしろ喜びと感謝の目を持って物事を見ています。パウロは獄中にあった何を見ていたのでしょうか。手紙の中で「さて、あなたがたは、キリス トと共に復活させられたのですから、上にあるものを求めなさい。そこでは、キリストが神の右の座についておられます。上にあるものに心を留め、地上のもの に心をひかれないようにしなさい。」(1−3)と言っています。

  パウロは主イエスに心をとめていたのです。それは主イエスの十字架と復活を信じ、主イエスは今も生きて働かれておられる。これが私たちの信 仰であり希望です。私たちはこの希望の光を見て歩むのです。ギリシャ語で人間を「アンスローポス」と言って「上を見る者」「顔を上に向ける」という意味が 含まれています。人間は目に見えるところでどんなに充実していても、神を仰ぐことなしには満足できないということです。

 私たちが自覚することは、私たちは主イエスを信じて新しい命に生かされた者となった。新しく生まれ変わったのだから、新しい人として生きるのです。その 生き方の特徴は「愛、喜び、平和、寛容、親切、善意、誠実、柔和、節制。」(ガラテヤ5:22‐23)と言った実を結ぶことです。

 しかし、この地上には誘惑があり、過去の古い生き方に引き戻す力が働いています。古い人の特徴は「姦淫、わいせつ、好色、偶像礼拝、魔術、敵意、争い、 そねみ、怒り、利己心、不和、仲間争い、ねたみ、泥酔、酒宴、その他、このたぐいのものです」(ガラテヤ5:19−21)。

 私たちは、そのような「古い人を脱ぎ捨てて、新しい人を身につけるのです」(3:9−10)。そのためにも私たちは常に上にあるものに心を留め、古い人 を脱ぎ捨て、新しい人を着るのです。「キリストと結ばれる人はだれでも、新しく創造されたものなのです。誰でもキリストの内にあるものは、新しくつくられ た者なのです。古いものは過ぎ去り、新しいものが生じた」(コリント(二)5:17)。新しくなっているのに古い服を着るのは相応しくなく似合いません。