パウロは同胞であるユダヤ人から激しい憎しみと怒りをかいました。その怒りはパウロを殺してしまいたいと思うほどの怒りです。パウロは何をしたのでしょ
うか。それは『イエスはメシア(救い主)だと言った』そして、それを人々に伝えている。これはユダヤ人にとって神を冒涜したことになり、絶対に赦されない
ことである。
パウロは自分を殺そうとして集まってきた人たちに向かって言った。皆さん、「わたしはこの道を迫害し、男女を問わず縛り上げて獄に投じ、殺すことさえし
たのです」(4)。私はかつてあなた方と同じように、イエスの道に従う者たちを捕え殺してきた者だと証をしたのです。皮肉にもパウロは同じ理由で仲間たち
から殺されかけているのです。
その中でパウロは証をした。「旅を続けてダマスコに近づいたときのこと、真昼ごろ、突然、天から強い光がわたしの周りを照らしました。わたしは地面に倒
れ『サウル、サウル、なぜ、わたしを迫害するのか』という声を聞いたのです」(6)。パウロは目が見えない暗闇の中で聞きました。あなたはどなたですか?
「わたしはあなたが迫害しているナザレのイエスである」(8)。あなたが憎んでやまないイエスである。混乱する中でパウロは言った。「主よ、どうしたらよ
いでしょうか」(10)。すると主は「立ち上がってダマスコへ行け、しなければならないことは、すべてそこで知らされる」。
どうしたら良いのか分からないパウロに神はアナニアを通して言われました、「わたしたちの先祖の神が、あなたをお選びになった。それは、御心を悟らせ、
あの正しい方に会わせて、その口からの声を聞かせるためです。あなたは、見聞きしたことについて、すべての人に対してその方の証人となる者だからです」
(14−15)。パウロはアナニアを通して神の御心(思い)を聞きました。
「今、何をためらっているのです。立ち上がりなさい。その方の名を唱え、洗礼を受けて罪を洗い清めなさい」(16)。パウロは立ち上がらせて頂いた。そ
して自分が進むべき道をも示された。パウロは十字架に死に復活されたイエスこそ、全人類の救い主であり「道であり、真理であり、命である」と言った。