主日礼拝メッセージ                                                                           2020年3月15日 

覚悟が道を開いた

使徒言行録20章34−38節(新約p255)


「あなたがたもこのように働いて弱い者を助けるように、また、主イエス御御身が『受けるよりは与える方が幸いである』と言われた言葉を思い出すようにと、わたしはいつも身をもって示してきました。」
「使徒言行録20章35節

山岸 明牧師

 本日の個所はパウロの「遺言説教」と言われています。パウロはミレトスに滞 在していたとき、約50k離れたエフェソに人をやって、それぞれの教会の長老たちに集まってもらいました。そこでパウロは自身の覚悟を伝えました。「わた しは、聖霊に促されてエルサレムに行きます。そこでどんなことがこの身に起こるか、何も分りません。ただ、投獄と苦難がわたしを待ち受けていることはだけ は、聖霊がどこの町でもはっきり告げてくださっています。しかし、自分の決められた道を走りとおし、また、主イエスからいただいた、神の恵みの福音を力強 く証するという任務を果たすことができさえすれば、この命すら決して惜しいとは思いません」(22−24)。パウロは自分がエルサレムに行ったら、生きて 帰れないことを悟ったのです。

 そして、集まった長老たちに二つのことを託しました。一つは、残忍な狼どもが教会に入り込んできて群れを荒らす。だから、あなたがたは主の教えを思い起 こして、目を覚ましていなさい。そして、もう一つ、弱い者、貧しい者を助けるように。「イエスご自身が『受けるより与えるほうが幸いである』と言われた言 葉を思い出すように。」(35)神は私たちを愛するがゆえに御子イエスをお与えくださりました。「神は、その独り子をお与えになるほどに、世を愛された」 (ヨハネ3:16)とあります。

 パウロがエルサレムへ行くと、聖霊が仰せられた通りに、このあとパウロは捕えられ裁判にかけられた。このときパウロは死を覚悟した。でも悔いはない、自 分は主に仕えてきたから。しかし、ここから話は急展開していくのです。パウロはローマ市民権をもっていたので皇帝に上告することができた。それによって ローマに護送されることになった。パウロは今まで何度もローマに行って福音を伝えたいと願っていた。しかし、いつも何かに阻まれて行くことが出来なかっ た。「何回もそちらに行きたいと企てながら、今日まで妨げられているのです。」(ローマ1:13)。パウロは命を捨てる覚悟でエルサレムに来ました。そし て、聖霊の仰せのとおりに投獄と苦難を受けました。しかし、そこからパウロが望んでいた道が開けたのです。まさに、捨てる覚悟が道を開いたのです。


 
 戻る