ペンテコステ(聖霊降臨)礼拝メッセージ                                                                           2020年5月31日 

決めつけていませんか?
 
  使徒言行録10章15節  
 「すると、また声が聞こえてきた。神が清めた物を、清くないなどと、あなたは言ってはならない。」



山岸 明牧師


 ペトロは屋上で幻を見た。天が開き、大きな布のような入れ物が、四隅でつるされて地上に降りてきた。その中には、あらゆる獣、地を這うもの、空の鳥が 入っていた。そこで神が語りかけた。「ペトロよ、身を起こして屠って食べなさい」(13)。ペトロは「主よ、とんでもないことです。清くない物、汚れた物 は何一つ食べたことがありません」(14)と言った。ペトロは厳格に律法を守っていた。

 すると「神が清めた物を、清くないなどと、あなたは言ってはならない。」このやり取りが三度もあった。そこでペトロは、あの幻はいったいどういうことか と思案にくれていると三人の者がペトロに会いに来た。すると霊がペトロにためらはないで一緒に出発しなさいといった。神の声に従ったペトロ一同は翌日コル ネリウスというローマ軍の百人隊長のもとに行った。

 さて、ここに大きな問題がった。ユダヤ人は異邦人と関りを持ってはいけないという律法の掟があった。ユダヤ人は神から選ばれた選民であり、異邦人は神に 見捨てられた汚れた者たち、という価値観の中で生きていた。当時のユダヤ人と異邦人の間には誰も乗り越える事などできない大きな高い壁があった。それが 今、神によって打ち破られた。ペトロは神のみ言葉に従い、異邦人であるコルネリウスの家に入った。

 ペテロは異邦人たちの前でこう証しをした。「あなたがたもご存じのとおり、ユダヤ人が外国人と交際したり、外国人を訪問したりすることは、律法で禁じら れています。けれども、神はわたしに、どんな人をも清くない者とか、汚れている者とか言ってはならないと、お示しになりました。」(28)

 ペトロが見た幻は、神の救いがユダヤ人から異邦人へと広げられていくことを暗示したものだった。そしてペトロの誤った考えや偏見(異邦人に対して抱いて いたペトロの民族感情、いや、ペテロだけではなくユダヤ人ならだれもが抱いていたもの)を打ち砕くための神の御声でした。これをきっかけに異邦人が教会の 仲間入りをしていくのです。あなたが、誰かに対して乗り越えられない大きな壁や敵意がある場合、その者たちをも神は愛されているのです。神が愛した者を裁 いてはいけないのです。



 
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