パウロは主イエスの十字架と復活の福音を伝えたという理由で逮捕され投獄された。その後、ローマで裁判を受けるため、パウロは他の囚人たちと一緒に船で
ローマに護送された。パウロたちを乗せた船は、旅の途中で突然の暴風に巻き込まれ、荒れた海の中で何日も漂流した。そのときの様子が記されている。「幾日
もの間、太陽も星も見えず、暴風が激しく吹きすさぶので、ついに助かる望みは全く消えうせようとしていた。」(20)。
望みが消え失せる中、パウロは彼らに向かって「元気を出しなさい」と言った。パウロは何の根拠があって「元気を出せ」と言ったのでしょうか?パウロは
言った。「わたしが仕え、礼拝している神からの天使が昨夜わたしのそばに立って、こう言われました。『パウロ、恐れるな。あなたは皇帝の前に出頭しなけれ
ばならない。神は、一緒に航海しているすべての者を、あなたに任せてくださったのだ。」ですから、皆さん、元気を出しなさい。わたしは神を信じています。
わたしに告げられたことは、そのとおりになります。」(23−25)
パウロに語られた「パウロ、恐れるな」「あなたは皇帝の前に出頭する。」それは必ずローマに着くという神の約束の言葉でした。この神の言葉がパウロを元
気にし、暴風の中にあっても立ち上がらせのです。これこそが福音の力、命の言葉である。「十字架の言葉は、滅んでいく者にとっては愚かなものですが、わた
したち救われる者には神の力です。」(コリント1:18)
希望を失っている多くの人たちが、「元気をだしなさい」と言って、生きる力を持って食事をするパウロの姿に元気づけられたのです。この姿こそ、社会にお
けるクリスチャンの存在だと思います。クリスチャンであっても人生の嵐に遭います。不安に陥り、恐れを覚える事もあります。しかし、神を礼拝する者は、人
生の嵐の中で、聖書を通して語ってこられる神の声を聞き、慰められ、励まされ、元気づけられて、世に遣わされていくのです。
「あなたがたは地の塩であり、世の光である。」(マタイ5:13