主日礼拝メッセージ                                                                                        2022年04月10日 

終わりは新たな始まり

山岸 明牧師

ルカによる福音書23章44−49節

「イエスは大声で叫ばれた。
『父よ、わたしの霊を御手にゆだねます。』
こう言って息を引き取られた。」




 主イエスが十字架の上から語られた7つのお言葉の第5言「渇く」主イエスのお体はもう限界を超え、いつ心臓が止まってもおかしくない状態です。人間、最後の苦しみは渇きだと聞いたことがあります。主イエスのお体は、ずっと渇いていたはずなのに、何故、このときに渇きを訴えられたのか。ヨハネ19:28に「イエスは、すべてのことが今や成し遂げられたのを知り『渇く』と言われた。」

 第6言「成し遂げられた。」それは十字架の救いが成し遂げられ、完成されたのです。主イエスはそれを知って「渇く」と言われた。では主イエスの心はどうだったでしょう。イザヤ53章には主イエスの十字架の預言が書かれています。その11節に「彼は自らの苦しみの実りを見、それを知って満足する。」と記されています。十字架の救いが成し遂げられたことを悟り、主イエスの心は満足された。苦しみもあり、命を捨てることにもなった。だが、これで、あなたを救う事が出来る、ああ良かった。
すべてを成し遂げられた主イエスは最後に「父よ、わたしの霊を御手に委ねます。」と祈った。これは神に対する希望の祈りです。すべてを成し遂げた主イエスはこれから先の事を考えておられる。それは三日後に起こる「復活」への希望です。

 十字架の元に最後までいたヨハネは「すべてが終わった。」という言葉を記した。ヨハネにとって十字架を境に一つのものが終わり、ここから新しい事が始 まっていった。過去のヨハネは愛に飢えた「雷の子・怒りの子」と呼ばれていた。しかし十字架を境に新しい命に生かされたヨハネは、その後「愛の使徒」と呼 ばれるようになった、
私たちの人生にも終わりがあり、新しい始まりが必要です。私たちは今日、主イエスの十字架と共に一つの終わりを告げましょう。それは私たちの罪の時代は終 わった。愛を探し求める旅は終わった。この十字架を通って新しい人生の出発をするのです。「父よ、わたしの霊を御手に委ねます」。この希望の祈りを私の祈 りとしましょう。