主日礼拝メッセージ                                                                2022年05月15日 

立て上げる知恵

内藤幹子牧師

ヤコブの手紙3章13−18節 (新約 page 424)



    今日お読みしています箇所は、この世にふたつの「知恵」があることを語ります。ひとつは神さまから与えられた、平和を創りだす知恵。もうひとつは、悪の力から吹き込まれた、争いと自分中心を生みだす知恵。

 神さまから与えられた「知恵」をお互いの間で生かしていくことを考える時、パウロは「建て上げる」という言葉を用いました。お互いがキリスト者として建 て上げられていく、そのことにより同時に、教会がまことのイエスさまの教会として建て上げられていく、ということが意図されています。
わたしたちは、この「建て上げる」ということに、より一層意識的でありたいと思います。お互いをキリスト者として「建て上げ」、教会をまことにイエスさま のものとして「建て上げる」務めは、心を決めて教会員になった全員が頂いているものだ、そう考えて歩んできたのが、バプテストの教会だからです。そして、 バプテストの教会は「話し合う」というわざを通して、皆でこの「建て上げる」働きに仕えようと、苦労して、努力してきた教会です。わたしたちはキリスト者 としての人生の中で、何度も失敗をするでしょう。しかし、わたしたちは何度でも悔い改め、赦しあって、何度でもまた一緒に、イエスさまを見上げて、お互い を、教会を「建て上げる」働きに参加していくように、イエスさまに招かれています。

 一方、神さまの平和を創りだす知恵、そこから生まれる「建て上げる言葉」、それらはわたしたちの中に当然のようにあるわけではない。神さまの平和と支 配、そんなものが追い求められては悪の力の居場所がこの教会になくなってしまう。それは困る。悪の力は、ふとした隙に、意外なところで「悪の知恵」を吹き 込んでやろうと、今日も教会とキリスト者を近くから狙っています。その恐ろしい現実を忘れることはできません。
しかし、神さまは、神さまの声を聞き分ける心、愛する心を、わたしたちの中に創造し、この世に送り出してくださいました。だから大丈夫、悪の知恵に惑わさ れないで、「平和を実現する柔和な知恵」をまっすぐに求めなさい。あなたがたを通してわたしの平和を実現しよう。神さまはそう呼びかけてくださいます。
 
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