主日礼拝メッセージ                                                                2022年05月29日 

パウロとバルナバ、正しいのは?

山岸 明牧師
「数日の後、パウロはバルナバに言った。
さあ、前に主の言葉を宣べ伝えたすべての町へ
もう一度行って兄弟たちを訪問し、
どのようにしているかを見て来ようではないか。」
使徒言行録15 章36−41 節(新約244)



 
   パウロは生涯で3回の大きな伝道旅行をしました。第一回の伝道旅行ではパウロとバルナバ、そこにマルコも加わり一緒に伝道をしました。ある町では口汚くの のしられ、ある町では群衆から石を投げつけられる厳しい伝道となった。ある日、マルコが途中で挫折し逃げて帰ってしまうという出来事が起こった。パウロと バルナバにとって大きな痛みとなった。それでも旅が終わってみれば、キリストを信じる人たちが起こされ、そこに教会が立ち上げられ大きな喜びとなった。

 パウロはバルナバに言った。「さあ、前に主の言葉を宣べ伝えたすべての町に行って兄弟たちを訪問し、どのようにしているかを見てこよう。」(36) そのときバルナバはマルコをもう一度連れて行きたいと言った。だがパウロは途中で逃げ出すような者は連れて行くべきではないと言った。ここで二人の間で激 しい意見の衝突が起こった。皆さんならどちらを支持しますか?途中で投げ出すような人は連れていくべきではない、それとも過去の失敗はゆるし、マルコを信 じて連れて行く。難しい選択です。この意見の衝突によってパウロとバルナバは別々の道を歩むのです。バルナバはマルコと共に伝道活動を行い、パウロはシラ スと共に第二回伝道の旅に行った。

マルコのことで決別したかのように見えたこの伝道は、思わぬ展開を見せます。この伝道の旅で初めて福音がギリシャに伝わり、さらにヨーロッパにまで広がっていくきっかけとなったのです。「わたしの道は、あなたたちの道を、わたしの思いは、あなたたちの思いを、高く超えている。」(イザヤ55: 9) また、バルナバと共に伝道したマルコは、ペトロの協力者となり、やがてマルコ福音書を書きます。伝道は対立を乗り越えてなされる神の業です。「こうして、教会は信仰を強められ、日ごとに人数が増えていった。」(使徒16:5)

 主は私たちを必要とされ、一番ふさわしい道を歩ませてくださいます。人間の目から見て失敗と思えるようなことでも神はその失敗を用いて成功へと歩ませてくださる。このことを体験したパウロは「神を愛する者たち、つまりご計画に従って召された者たちには、万事が益となるように、共に働くということを、わたしたちは知っています。」(ローマ8:28)と告白したのです。 
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