【主日礼拝 】                               2013年10月20日 

 『あなたの居場所は』 

ルカによる福音書17章11-19節

山岸 明牧師

 最近のアンケート調査によりますと、自分の居場所がないと言う人が多いようです。やっと見つけたと思ったら違っていた。時間とともに居場所が無くなってしまった。わたしの本当の居場所はどこにあるのでしょうか。

 主イエスがエルサレムへ上る途中、サマリアとガリラヤの間を通られた。ある村に入られると“らい病”をわずらっている10人の人が遠く離れた場所から「イエスさま、先生、どうかわたしたちを憐れんでください」(13)と叫んだ。当時“らい病”は不治の病で、伝染する、汚れている、神に呪われていると言われ、ある者は家族からも見捨てられ、住まいを追いやられたのです。主イエスは彼らの叫びを聞き10人すべての人を癒されました。しかし、主イエスのもとに戻って感謝したのは一人だけでした。主イエスは戻った彼に「立ち上がって、行きなさい。あなたの信仰があなたを救った」(19)と仰せられた。

 癒された10人は主イエスを見て、その声を聞いて、その身に奇跡を体験しました。しかし、本当に主イエスに出会ったのは1人だけでした。主イエスとの出会いにはいろいろあります。生まれたときからという出会いもあれば、死の間際での出会いもあります。病気を通して出会うこともあれば、家族、友人を通して出会うこともあります。また、偶然と思うような出来事を通して出会うこともあります。

 問題は出会い方ではなく、その出会いを通して起こったことに対する自分の決断であります。自分の決断がなければ、その出会いはそのまま消えて無くなってしまい、私の人生には何も残りません。戻らなかった9人はそのような人たちでありました。しかし、戻った一人は単に“らい病”が治るというだけのことに留まらず、主イエスの中に自分の居場所を発見して社会に戻るよりも先に主イエスのもとに戻ったのです。主イエスの中にある居場所、そこは壊れることのない、失うことのない十字架の平安なる恵みの場所。そこが、あなたの居場所です。