【主日礼拝 】                                     2014年7月20日 

  『強さの秘訣』      

コリントの信徒への手紙(二) 4章7-12節

山岸 明牧師

 パウロは自らを「土の器」だと言った。「土の器」とは、すぐに傷つき、ひび割れ、穴が開き、衝撃を受けると壊れてしまう弱いもの、その「土の器」には価値など全くありません。パウロは自らを弱くて価値のない者だったと告白したのです。私たちはどうでしょうか?パウロと同じように「土の器」ではないでしょうか。すぐに 傷つき、壊れてしまうような弱くて価値の無い者。だが、そんな自分を受け入れられず、弱さを克服して強くなろうとしてきました。価値ある者と認められるために努力して立派な覆いを「土の器」の上にまとってきました。でも、どんなに外側を磨き、立派な覆いをかけても「土の器」であることに変わりはありませんでした。

 パウロは今、自らを弱い器と認めたうえで、その「器の中」に宝を持っていると言いました。その宝とは「闇から光が輝き出よ。と命じられた神は、わたしたちの心の内に輝いて、イエス・キリストの御顔に輝く神の栄光を悟る光を与えてくださいました」(6)。強いと思っていたときの自分では考えられない、並外れた神の力を体験したのです。それは、「四方から苦しめられても行き詰まらす、途方に暮れても、失望せず、虐げられても見捨てられず、打ち倒されても滅ぼされない」(8−9)という体験でした。

 パウロは、自分に信仰があるから大丈夫だと、強がりを言ってごまかす事はなく、自分が弱くなった時には正直に告白するのです。不思議な事に、その弱さがパウロの武器となっていきました。また、パウロは弱さを知っているので、自分の力を過信する事はありませんでした。弱さを通して見えない事実に触れることができました。また、弱い者の気持ちも痛いほど共感できました。また、弱さに耐える力も与えられた。弱いので神の恵みを十分受け取ることもできました。こうしてパウロは「わたしは弱いときにこそ強いからです。」(コリント二12:10)と、新しい自分を発見したのです。


 
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