当時、北イスラエルは暗黒の時代を向えていた。モーセを通して与えられた十
戒の、「あなたは、わたしをおいてほかに神があってはならない、あなたはいかなる象も造ってはならない。」(出エジプト20:3)という掟を破り、バアル
の神を信頼し拠り所としていた。神は預言者エリヤをアハブ王のもとに遣わした。エリヤはアハブ王にどちらが本物の神か勝負をするよう願い出た。アハブ王は
バアルに仕える450人の預言者を集めエリヤと対決した。勝負の方法は、それぞれ祭壇を作り、そこに薪を乗せ、その上に雄牛を裂いて捧げ、火をもって答え
る神が本物の神である。
バアルの預言者たちは朝から昼まで「バアルよ、我々に答えてください」と祈った。しかし、声もなく答えもない。次に彼らは祭壇の
周りを飛び回り祈った。それでも答えがない。最後に、「彼らは槍で体を傷つけ始めた。そして血を流し、狂ったように叫び続けた。」(28)祈りだけでは不
足ですか、ならば我々の血をと言わんばかりに自らを傷つけていった。ここに、偶像の危険性がある。偶像とは何も神々だけではない、これが私を幸せにしてく
れるもの、これが私の頼れるもの、それがお金であれば、それも偶像です。最後にはあなたを裏切ったり、傷つけたり、惑わしたり、不安にさせたり、争いをさ
せたりします。
次にエリヤが祈った。「アブラハム、イサク、イスラエルの神よ、わたしに答えてください。」(36)「すると、主の火が降って、
焼き尽くす献げものとなった。」(38)バアルの神は信じる者に血を流さ苦しめた。しかし、主イエスは私たちに血を流させるのではなく、反対に私のために
血を流してくださり、命をすてるほどに私を愛し、赦してくださり、今も、これからも私を見捨てることなく支え導いてくださるのです。
最後に、この勝負を見に集まった群衆にエリヤは言った。「あなたたちは、いつまでどっちつかずに迷っているのか。もし主が神であるならば、主に
従え。もしバアルが神であるならば、バアルに従え。」(21)あなたの心をはっきりさせなさいと言われた。私たちの心はしっかりと定まっているでしょう
か?