「感謝で不安を吹き飛ばそう」
山岸 明牧師
イザヤ書38章18-19節
「命ある者、命ある者のみが
今日の、わたしのようにあなたに感謝し
父は子にあなたのまことを知らせるのです。」
ヒ
ゼキヤ王の身に起こった出来事を通して感謝できる素晴らしさを知る。昔、南ユダ王国にヒゼキヤという王様がいた。彼は若くして王になったが、しっかりと国
を治めていた。王としてもこれからと言う時に、ヒゼキヤは突然“死の病”に侵されてしまった。もし、王の身に何かあれば、国はたちまち混乱し、すぐに敵国
から攻められてしまう。
病で苦しむヒゼキア王のもとに預言者イザヤが遣わされ、神から託された言葉を伝えた。「主はこう言われる。あなたは死ぬことになっていて、命はないのだから、家族に遺言をしなさい。」(1)神からの死の宣告です。それを聞いた「ヒゼキアは顔を壁に向けて、主にこう祈った。ああ、主よ、わたしがまことを尽くし、ひたむきな心をもって御前に歩み、御目にかなう善いことを行ってきたことを思い起してください。こう言ってヒゼキヤは涙を流して大いに泣いた。」(2-3 )ヒゼキヤ王は嘆き、神に問いながら泣き続けたのでしょう。もし、私たちに突然、死の宣告がされたらどうしますか?
ヒゼキヤの祈りを聞いた主は預言者イザヤを通して言われた。「わたしはあなたの祈りを聞き、涙を見た。見よ、わたしはあなたの寿命を15年延ばすし、アッシリアの王の手からあなたと都を守り抜く。」(7−8)後に病から回復したヒゼキヤ王はこの出来事を通してこう言った。「わ
たしは思った。陰府があなたに感謝することはなく、死があなたを賛美することはないので、墓に下る者は、あなたのまことを期待することができない。命のあ
る者、命ある者のみが、今日の、わたしのようにあなたに感謝し、父は子にあなたのまことを知らせるのです。」(18−19)
生きているからこそ感謝ができる。死んだら感謝も賛美も、主に期待することもできない。故に「どんなことにも感謝しなさい。」(テサロニケ5:18)
と仰せられる。主にあって感謝の心を持ちましょう。感謝は不安や恐れ、世の邪悪なものを吹き飛ばしてくれます。本当の感謝から不平不満は出ません。感謝か
ら怒りや、恨みは出ないのです。感謝していると傲慢になりません。だが感謝の心は壊れやすく、無くなりやすく、奪われやすいので、大切に感謝の心を育てま
しょう。