高橋淑郎牧師
「愛」、何と美しい言葉でしょう。一方それとは逆に、この世はこの愛をめぐって何と醜い争いを繰り返してきたことでしょうか。わたしたちは愛を追い求めながら憎しみを刈り取り、喜びを求めながら悲しみに涙する日々が続いているのです。それは愛の本当の意味が分からないからです。クリスマスはパーティを開き、踊り、歌い、プレゼントを交換し、おいしい料理やケーキを食べてそれで終わりではありません。
高橋淑郎牧師
「愛」、何と美しい言葉でしょう。一方それとは逆に、この世はこの愛をめぐって何と醜い争いを繰り返してきたことでしょうか。わたしたちは愛を追い求めながら憎しみを刈り取り、喜びを求めながら悲しみにくれて涙する日々が続いているのです。それは愛の本当の意味が分からないからです。
しかし、クリスマスはパーティを開き、踊り、歌い、プレゼントを交換し、おいしい料理やケーキを食べてそれで終わりではなく、真の愛がどこから来て、それがどれほどのものかを学ぶ時です。わたしたちの愛は見返りを求める愛ですが、神の愛は一方的に与える愛なのです。それは、たった独り子をさえ惜しむことなく、この世に与えるほどの愛です。「神は、その独り子お与えになったほどに、世を愛された。」と聖書は言います。
神の愛は誰に向けられたものでしょうか。この世です。内村鑑三という人は、「世」というところを、わたしという意味の｢余｣という字に書き換えたつもりで読みなさい。と教えてくれました。神はこの世に住む６０数億の人類を十把一絡げにではなく、一人一人のために御自分の独り子を与えてくださったというのです。わたしは神に愛される値打ちなどあるのでしょうか。自分勝手で、誘惑にもろい性質の者です。善いことを考えるよりも、欲望を満たすことに時間を費やす罪深いものです。それなのに、神はこんなに汚れたわたしをさえ愛しておられると聖書は言います。神がわたしを愛する愛はどのように示されたかというと、わたしの罪の身代わりに十字架の上で死ぬほどのものでした。「正しい人のためでなく、善人のためでもなく、わたしたちがまだ罪びとであったとき、神の独り子イエス・キリストはわたしたちのために死んで下さった」のです。あの十字架の上で。
真に神の愛ははかり知れぬ愛です。それが、このヨハネによる福音書３章１６節の意味なのです。クリスマスにプレゼントはつき物です。神が今宵あなたにお与えになるプレゼント、それは「わたしはいつでも、どこでもあなたを愛している。だから、罪を犯さないでいなさい。もし、罪を犯してしまったら、そのとき、素直に赦しを求める悔改めの祈りをわたしに向かってささげなさい。そうすれば、あなたを赦す。」と神は言ってくださいます。
東京駅丸の内側タクシー乗り場の向こう側の広場に、天に向かって両手をいっぱいに広げている男性の銅像があります。その足元には神の愛を示す、「アガペー」と書かれたギリシャ文字と、そのまた下には漢字で「愛」と書かれた文字があります。この銅像がなぜ東京駅のすぐ傍にあるのか、いったい誰がこれを作ったのか、最近分かりました。第二次大戦後連合軍によって開かれた、いわゆる東京裁判でＢ、Ｃ級戦争犯罪者の中のクリスチャンたちが、贖罪の心を込めて作ったものと分かりました。その中には禁固刑や終身刑に服した人々と共に、死刑囚もいました。彼らは大いなる赦しと、はかり知れぬ愛を信じて、神の懐に飛び込んで行ったのではないでしょうか。
あなたはいかがでしょうか。今こそ豊かな赦しを以てあなたを受け入れて下さる神の愛のプレゼントをお受けになりませんか。
祈りましょう。
天の父なる神様、あなたの御名を崇め、讃美します。
クリスマスを感謝します。わたしたちは今日、あなたの愛が何と広く、大きなものであるかを知ることができました。それはあなたの独り子をさえわたしたちに下さるほどのものでした。わたしたちにはそんなに大きなあなたの愛をいただける値打ちのあるものでしょうか。事実はその反対で、罪と汚れに満ちていました。しかし、あなたは聖書を通して言われます。「わたしは正しい人のためではなく、罪びとをたずねて悔改めに導くためにきた」と。だから、今わたしたちはこれまでの罪を全て悔改めて、あなたの愛をそのままに頂きます。
主イエス・キリストの御名によって祈ります。アーメン。