【主日礼拝・メッセージの要 約】 2008年10月5日
「共に歩む人生 」
山岸 明牧師
最近、人間関係のもつれから悲惨な事件が日々おきています。私たちは関わりを持たずに生きることはできません。「できれば、せめてあなたがたは、すべての人と平和に暮らしなさい」18とあるように、共に喜び、共に泣く人生を歩めたら何と幸いなことでしょう。パウロは人間関係は愛によって築かれなければならないこと、そして、その愛が日常生活の中で生かされなければならないことを語っています。
当時のローマは世界の中心地でしたので、いろいろな地域からたくさんの人々が集まっていました。そして、教会にもさまざまな人たちがいました。生い立ちも価値観も全然違う人々が一つの教会に集っていたのです。このような教会が一つの体として連携していくには、何によって一つとなるのでしょうか?それはイエス・キリストによるのです「キリストにおいて、この建物全体は組み合わされて成長し、主における聖なる神殿となります。」エフェソ2:21そして、その繋がりは教会のみならず、隣人、更には人間関係全てがこのキリストの愛によって築かれなければいけないのです。「神がこのようにわたしたちを愛されたのですから、わたしたちも互いに愛し合うべきです」ヨハネ手紙(一)4:11
私たちは、自分にとって都合の悪い人を愛せない、そんな弱さを持っています。また、自分の思いや自分の力では隣人を愛し続ける事ができないのも事実です。だからと言って落胆することなく、今日の御言葉をしっかりと受け取りましょう。それは互いに尊敬を持つこと、情熱を持って主に仕えること、そして希望をもってたゆまず祈ることです。私たちの生活は毎日このように神様に対しても、家族や隣人に対しても喜ぶ人と共に喜び。泣く人と共に泣く人生でありたい、共に喜ぶとき、その喜びは倍になり、共に泣くとき、その悲しみは半分になります。イエス様は喜びもの時も悲しみの時も私たちと共にいてくださるのです。
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【主日礼拝・メッセージ】 2008年10月5日
「共に歩む人生 」
山岸 明牧師
日本は「安全と水はただ」と言われていた時代がありました。しかし、今は日本は安全で安心な国と思っている人は少ないと思いまう。無差別に人を傷つけたり、親が子の命を奪い、子が親の命を奪う、とても恐ろしい時代になっています。そういう時代の中で喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣く人生であれたら何と幸いな事でしょう。
今日はローマ人への手紙12章から「共にあゆむ人生」というタイトルで分かち合って行きたいと思います。ともに歩む人生などというと、今の時代から逆行しているようなものです。しかし、心のどこかで私たちが求めているものの一つではないでしょうか。この12章は大きく分けて2つの事が記されています。1−8節の前半部分では「神様と私たちの関係」神様に献げる事が記されています。9−21節は「人と人の関係」隣人に与える事が記されています。当時のローマは世界の中心地でありましたので、いろいろな地域から、たくさんの人々が夢や希望を持ってローマに集まっていました。ローマへ行って一旗あげようとした人たちも居た、家族の期待を背負って仕事を求めてきた人もいた。そして、その夢を実現した人もいた。しかし、成功者の裏には数え切れないほどの失敗者もいるわけです。夢破れて無一文になり、故郷や家族の元に帰る事が出来ずに、絶望の中にある人もいたでしょう、ある人は行き場がなく悪に身を寄せて行った人もたくさんいたでしょう。当然、教会にもさまざまな人たちがいました。ローマで育った人たち、他の町や国から来た人たち、中にはキリスト者もいたでしょう。エリートと言われる人から、成功者と言われる人々、また貧しい人々、住むところのない人までいました。価値観も全然違う人々が一つの教会に集っていたのです。人間の社会では力の有る者や賢い者の価値観がどうしても優先されます。気が弱くておとなしい人の価値観は優先されません。しかし、教会は決してそうであってはなりません。この教会が一つの体として連携していくには、心と心が一つにならなければなりません。それでは何によって一つとなるのか、それはイエス・キリストによって一つになる、キリストの愛によって繋がり一つとなっていくこと。この愛によって関係が築かれなければいけない。
私たちにはそれぞれの生き方があります。しかし、神の恵みの中で生きる者としての共通の生き方、その基盤は、神様とも隣人ともに愛に結ばれて生きることです。それはヨハネ手紙(一)4:11「神がこのようにわたしたちを愛されたのですから、わたしたちも互いに愛し合うべきです」とありますが、ここに本当の人間関係の姿があるのです。神が私たちを愛されたこと、私たちも互いに愛する事は一つなのです。ローマ12:1「自分の体を神に喜ばれる聖なる生けるいけにえとして献げなさい。これこそ、あなたがたのなすべき礼拝です」とあります。自分を神様に献げなさいと言います。自身を献げるなどと言いますと仏教でいう出家みたいに、この世との関係を断ち切る、そんなイメージを抱いてしまいそうですが、そうではありません。私たちは今日ここに集い、賛美を献げ、献金を献げ、それぞれが与えられた賜物を生かし、感謝をもって礼拝を献げています。では日曜日だけ自分を献げ礼拝を守れば良いのか、そうではありません。自分の体を献げるという中にもう一つの意味があります。それは神様の側に立つということです。日々の生活の中で神の側に立って物事を考えるのです。そこで、私たちは日々の生活の中でも祈りを持って神様の愛に応え、仕えて歩みたいと願っています。では、このような私たちの神様に対する思いが、他者に対しても同じように向けられているでしょうか?教会の兄弟姉妹、家族や友人や職場の仲間に向いているでしょうか?もしかしたら神様だけに心を向けて、隣人には向けられていないのではないでしょうか。私たちが神様に向けている思いを、同じように全ての人々に向けられていかなければなりません。神が私たちを愛されたこと、私たちも互いに愛することは一つであり、離れてはいけないのです。では具体的に隣人を愛するとはどういうことか?ルカ10:25に「善いサマリヤ人」の話があります。「ある律法の専門家が何をしたら永遠の命を受け継ぐことができるでしょうか。といってイエス様に質問をしました。イエス様は律法には何て書いてあるか。と言われると、彼は答えた「精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの神を愛しなさい、また、隣人を自分のように愛しなさい。イエス様は正しい答えだ、それを実行しなさい。すると彼は、では私の隣人とは誰ですかと言った。そこで、イエス様はサマリヤ人の譬えをはなされました。ある人がエルサレムからエリコヘ下っていく途中、追い剥ぎに襲われ、服は取られ、殴りつけられ、半殺しにあってしまった。そこに、祭司がたまたま通った。しかし、その人を見ると道の向こう側を通って行った。同じように、レビ人もその場所にやって来たが、その人を見ると、道の向こう側を通っていった。」
祭司もレビも神様に仕えていた人たちです。礼拝を守り、神の愛を人々に教えていた。しかし、隣人に対しては道の向こう側を歩き、そこから出て、倒れているこちら側にくることはしませんでした。彼らにとっての隣人とは律法を重んじる仲間だけ、周りから尊敬されるほどの信仰を持っていても、仲間以外の者、汚れた者、自分たちに敵対する者に心を向けていく事が出来ませんでした。私たちも、この律法学者のように自分に良くしてくれる人を愛する事、感謝する事、尊敬する事は出来ます。しかし、あの人だけは絶対に嫌だという人がるでしょう。私たちは自分にとって都合の悪い人を愛せない、そんな弱さを持っています。その為には、「尊敬を持って互いに相手を優れた者と思いなさい」10と言われているように、全ての人に接していかなければいけないのです。
そ れには「希望を持って喜び、苦難を耐え忍び、たゆまず祈りなさい」12とあるように希望を持つこと、どこに、神様です。自分の思いとは反対で苦しいときもありますが耐え忍ぶこと。そして、たゆまず祈ること、この祈りが、私たちを喜びに向かわせ、耐える力を与え、慰め、励まして下さるのです。
それを忘れて、ただ、イエス様がそうされたのだから、私もそうでなければならないと言って自分で自分を高めようとしたり、或いは人から自分を高めてもらおうとする時があります。しかし、イエス様は復活のとき、ご自分の力で墓から出て来られた訳でもなく、自力で天に昇った訳でもありません。全て神様によって復活し、天に引き上げられたのであります。イエス様は神が全てを解決して下さるのを待ったのです。私たちは「怠らず励み、霊に燃えて、主に仕えなさい」11神に委ね待つ事が大事であります。なぜ、あの人を愛さなければならないのか、その思いを神が取り去ってくださる。私たちはただ、神が私たちを愛されたように、私たちも隣人を愛しる。「敵が飢えていたら食べさせ、乾いていたら飲ませよ」とあるように、私たちの生活は毎日このように神様に対しても、家族に対しても、隣人に対しても「喜ぶ人と共に喜び。泣く人と共に泣く人生でありたい」共に喜ぶとき、その喜びは倍になり、共に泣くとき、その悲しみは半分になります。イエス様は私たちと「喜びもの時も悲しみの時も」共にいてくださいます。私たちも多くの人とそのような人生を歩めますようにお祈りしましょう。
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