【主日礼拝 】                                  2012年3月18日 

 『あるがままの自分で』

ルカによる福音書19章1-10節

山岸 明牧師

 
 最近、孤立死と言う言葉をよく聞きます。社会から追いやられてというよりも、自分から周りとの関わりを閉ざして、孤立していくケースがあります。人と関わる事が煩わしい、傷つくのが怖い、だったら一人の方が気楽で良い。そんな人々が増えています。

 愛の呼びかけ:ザアカイは人々から軽蔑され、差別され、誰からも愛される事はありませんでした。ザアカイの心はどんどん硬くなになり、心を閉ざすようになり、自分から人との関わりを絶って孤立の道を歩んでいました。彼は傷ついた心を癒すために、とにかく富を築く為に必死になりました。そして、多くの富を得る事ができました。しかし、何を得ても心の満足はありませんでした。それどころか、孤独の寂しさゆえに心を痛めていました。そんな彼にイエス様は『ザアカイ』と彼の名を呼ばれました。

 愛に触れる:イエス様は罪人といわれたザアカイに「今日は、ぜひあなたの家に泊まりたい」(5)と仰せられました。ザアカイは今まで、人を騙し、人を傷つけ、自分も傷つけてきた。イエス様はそうしなければならなかった気持ちをそのまま受け入れてくださったのです。多くの場合、最初にとがめたり、教えたりして相手を正そうとしますが、その前に、分かってあげる事なのです。すると、あれほどお金に執着していたザアカイが「主よ、わたしは財産の半分を貧しい人々に施します。また、だれかから何かを騙し取っていたら、それを4倍にして返します」(8)と自ら告白しました。ザアカイの頑なな心を打ち破ったのは「愛」です。この愛に触れたとき、人は本当の感動を覚え、内面から変るのです。何もしなくて良いと言われても、じっとしていられなくなるのです。

 愛はすべてを包む:イエス様は「友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない」(ヨハネ15:13)と仰せられました。その御言葉通りに、私たちの救いのために十字架に飛び込んでいかれました。そして『ザアカイ』と呼びかけたように、今も私たちに『愛するもの』よ、と呼びかけて下さっています。イエス様の愛は私たちの孤独、痛み、劣等感を包み、本当の「あるがままの自分」で生きるようにして下さるのです。


 
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