1.神の祭具で酒を飲むベルシャツァル王
第4章まで登場したネブカドネツァル王は亡くなり、第5章からはその息子ベルシャツァル王が登場します。ベルシャツァル王は、大宴会を開き、酒を飲んでいました。彼は、父ネブカドネツァルがエルサレムの神殿から奪って来た金銀の祭具で、酒を飲み始め、金や銀、青銅、鉄、木や石などで造った神々を讃えました。神聖な祭具で酒を飲み、偶像の神を讃えることは、神への冒涜であり、父ネブカドネツァル王ですら「畏れ多くて」しなかったことです。
2.壁に書かれた文字
宴たけなわの時、人の手の指が現れ、ともし火に照らされている王宮の白い壁に文字を書き始めます。王は恐怖にかられて顔色が変わり、腰が抜け、膝が震えるほどでした。ここで、ダニエルが登場し、文字の意味を解釈します。ダニエルは、ベルシャツァル王にズバリ進言します。
「あなたの命と行動の一切を手中に握っておられる神を畏れ敬おうとしない。そのために神は、あの手を遣わして文字を書かせたのです」(23〜24節)
3.「畏れ」を失った現代人
「畏れ」とは、人間が、神の絶対的力に圧倒され、神の前にひれ伏したいと心の奥底から湧き上がる想いのことです。しかし、科学技術が発達し、また従来の権威が崩壊する中、現代人が「畏れ」を抱くことは稀です。大地震や台風などで、「畏れ」の想いを抱いても一時的です。ベルシャツァル王は、顔色が変わり、腰が抜け、膝が震えるほど、神の絶対的力を五感すべて感じ取りました。別な言い方をすれば、神の絶対的力を経験した「幸いな人」とも言えます。
4.命の書なる「聖書」
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